(ブラザー八木信彦) 2017年12月8日(無原罪の聖母祝日)~2019年1月25日(オブレート会創立記念日)、この期間を「オブレート会召命年」としました。この制定実現までに、色々な物語があったようです。
2013年頃から、オブレート会総長ルイス・ローガン神父のもとに、多くのオブレート会員が「召命とその識別について本気になる修道会」となるよう願い出るようになりました。また、この総長が参加したWYD(World Youth Day;世界的なカトリック青年の集い)で、オブレート会員と青年たちは、オブレート会召命の促進を、オブレート会宣教プロジェクトの必須項目として取り上げてほしいと総長に申し出ました。そして、特に中南米とヨーロッパ地域からは、若者をオブレート会に招待する責任義務を果たす必要性を主張、強調する声が高まりました。
聖霊のこれらの働きは、2016年7月、エクスアンプロバンス(フランス)にて、世界的レベルでのオブレート会召命会議を、初めて開催することへと導きます。その召命会議では、真に異議を唱えて次のように言う参加者もいました。「私たちは神のみ前でも若者の間でも信頼を失ってしまった。私たちは神が呼びかけていることを疑い、若者が神の呼びかけに応えられるか、寛大になれるかを信じていない。」この召命会議と2016年総会(10月7日)を経て、総長評議会は「オブレート会召命年」を宣言するに至ります。
この2016年総会は、オブレート会創立200周年を迎える年であり、教皇フランシスコもこの総会を訪ずれてくださいました。折しも教皇フランシスコは、2018年10月にバチカンで開かれる第15回通常シノドス(世界代表司教会議)のテーマを「青年、信仰と召命の識別」と発表する段階にありました。教皇は青年たちに「皆さんの声、信仰について聞きたい」と語りかけ、恐れずに神の声に耳を傾け、よりよい世界を築くために、イエスと共に勇気をもって出かけていくように呼びかけていました。「オブレート会召命年」制定の発表とシノドステーマ「青年の信仰と召命」とが合い重なり、オブレート会と教皇、双方共に召命について支え合い、強化し合い、元気づけ合うことになっていきます。これも聖霊の働きでしょうか。
この召命年制定の発表を受けてオブレート会日本地区では、昨年(2017年)末、古賀教会(福岡県)でのオブレート会クリスマス会に、西日本各地から男子青年15名と韓国のオブレート会神学生5名を招き、オブレート会召命年開始ミサを捧げ共に祈り、オブレート会を彼らに紹介しました。また今年10月7~8日、青年5名を招いて召命黙想会を徳島県の自然豊かな場所で行いました。そして、オブレート会担当の小教区ミサにおいて、オブレート会召命のための祈りを唱えています。
若者の教会離れが著しい昨今のご時世ですが、今までがそうであったように、聖霊の働きは私たちの思いをはるかに超えた業を行ってくださいます。このことを確信し希望を持って、残りわずかなオブレート会召命年を過ごしていきたいと思います。ただ、この特別年が終わったとしても、召命への祈りや聖霊の働きへの信頼は、終わることはありません。