子どもたちへの戦争(第5回):身体部位 -「胎児にとって最悪の悪夢」

(この記事は、「子どもたちへの戦争」を引き起こしている大人の強迫観念を明らかにするノボトニー 神父による継続中のシリーズの一部です。)

生命は美しいです。生命は貴重で神聖なものです。

ノボトニー • ジェローム OMI –  人間には保護され守られるべき権利と尊厳があると、善良な人々は信じています。しかし、それに反対する人たちがいます。彼らは「胎児たちへの戦争」を公言しています。しかし、「良い」戦争はありません。どんな戦争であれ詰まるところ、何百万人もの人が死に、多くの人が身体的な不自由に追い込まれるのです。では、そもそもなぜ戦争をするのでしょうか? その理由は、胎児へのこの戦争が非常に儲かるからです。例えば、次のような出来事を考えてみましょう。心臓がまだ動いている胎児の臓器を、ピッツバーグ大学が摘出していたと聞いて、世界中が震撼しました。

その文書は情報公開法(FOIA)によって入手されたものです。上院議員候補のショーン・パーネル氏は、自身のTwitterアカウントに投稿した声明で、この疑惑を「吐き気を催す」と表現しました。「ピッツバーグ大学の職員が、まだ心臓が動いている胎児から腎臓を摘出していたという疑惑は、まったくもって吐き気を催します。これは、プロライフかプロチョイスかという範囲をはるかに超えています。これは、善か悪かの問題です。こうした疑惑には徹底的な調査が必要であり、仮に些かでも事実である可能性があるということになれば、関与した者を解雇し、資金提供を停止し、刑事告訴されなければなりません。」

中絶された赤ちゃんの部位に関する詳しい情報は、以下のヘッドラインをチェックするか、Bing.comで検索してください。

1。ショーン・パーネルは、ピッツバーグ大がまだ心臓が動いている胎児の臓器を摘出していたという疑惑について「徹底した調査」を要請する。

2。「アメリカン・ホラー・ストーリー」。臨月で中絶された赤ちゃんの部位に連邦政府が金を払う。

3。中絶された赤ちゃんを使った実験に税金が投入されていることを暴露するビデオ。

4Judicial Watch :保健省の新しい文書により、ピッツバーグ大学のヒト胎児臓器採取プロジェクトに数百万ドルの連邦資金が提供されていることが判明した。

マスメディアには大量の記事が溢れ、最悪の悪夢のような血も凍るような報道がなされています。2月には、司法ウォッチが国立衛生研究所(NIH)の676ページに及ぶ記録を明らかにしましたが、それによると、NIHはHIV(ヒト免疫不全ウィルス)研究のための「ヒト化マウス」を作るために、中絶された人間の胎児から摘出した臓器を購入するためにカリフォルニアに拠点を置くABRに数千ドルを支払っていたのです。

これら産業およびその関連産業が、政治を支配し牛耳っています。政治家と協力して、彼らのアジェンダを支持する候補者が選出されます。家族計画連盟から政治献金を受けている政治家の人数を簡単に調べてみてください。そして、彼らの投票記録を調べてみてください。

家族計画連盟は身体部位の販売に積極的な企業です

1。家族計画連盟のリーダーは、生きたまま生まれた赤ちゃんから身体部位を摘出していることを宣誓したうえで認めている

2。家族計画連盟は、中絶された赤ちゃんの身体部位を販売しようとした映像で逮捕されました。

3。家族計画連盟の幹部は、胎児の部位を販売していることを宣誓したうえで認めている

4。家族計画連盟と胎児の組織の販売:捏造された論争と真実の倫理的な議論。

中絶されたヒトの胎児/赤ちゃんの部位を使用することは、ヒト発生学に関する誤った科学的事実を利用することによって成り立っています。どうぞ、1942年以来知られているヒト発生学の正確な科学的事実を見てください。
アーヴィン − 再度警告:初期ヒト胚に関する問題のカーネギー発生段階の新しいURLを使用する必要あり

そこで、この正確な科学的事実と、ダイアンN. アーヴィン博士が家族計画連盟の誤った科学を指摘した次の2つの記事とを比べてみてください。
(1) 家族計画連盟と人の胎児部位:主要な法的文書(1993年NIH活性化法)のセクション
(2)『家族計画連盟のウェブサイト「用語集」− 偽りの科学、恐怖症、性的強迫観念の定義』

人間の尊厳を犠牲にすること

私たちはいま、科学技術の進歩を受けて、社会が自然や人体に対してより大きな力を持っていることを目撃しています。そしてその力が、弱者や胎児に対する非倫理的な市場に力を与える結果になるのです。大企業や(公共)機関は、人間の身体を高価な身体部位の入れ物にすぎないと考えています。こうした流れのなかで、社会は人間の尊厳を犠牲にし始めています。社会は生と死の定義を変えようとしています。中絶や中絶された身体部位を販売する行為では、需要に応じて身体部位を注文に合った形にする必要があるからです。とても儲かるビジネス!

この「滑りやすい斜面」に入ると、ナチスの医学と人間に関する研究が思い起こされます。アウシュビッツ強制収容所でヨーゼフ・メンゲレ医師が行った実験は、子どもを含む人間に対する研究の最も過激な実演の一つでした。歴史上のこの時期に対しては、全世界が反発し、厳しく非難しました。にもかかわらず、ゆっくりと、しかし確実に、科学はこれと同じ滑りやすい坂、すなわち道徳的・倫理的ガイドラインのない研究の滑りやすい坂に入ろうとしています。子どもたちを使ったこのような研究実験は、国際的なニュルンベルク・コードに幾重にも違反しています。

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生物医学研究の分野では、科学者は常に倫理規範の瀬戸際に立っています。世界最大の民主主義国家が、自国民を使ってこの「滑りやすい斜面」ビジネスに参入してきた。バイデン政権は中絶された赤ん坊の体の部位の取引に資金を投入することを納税者に強要している、とファミリー・リサーチ・カウンシル(FRC)は言っています。「研究推進のために中絶された赤ん坊の体の一部を使うことは残忍な行為であり、とても考えられないことである。嘆かわしいことに、あろうことか、バイデン大統領がそれを推進している。中絶された胎児の組織の研究の推進者は、「科学」の名の下で率先して倫理規範を犠牲にしている」と、FRCの生命と人間の尊厳のための連邦問題担当ディレクターであるコナー・スメルスバーガーは述べています。「バイデン政権は、人間の生命に内在する尊厳になんらの価値も置いていないことを再び明らかにしようとしている。彼らの行動は、すべての人間の生命は、生まれていても生まれていなくても、固有の尊厳を持っており、丁重に扱われるべきだという真実を否定している」と、FRCの会長トニー・パーキンスは話を閉じました。

赤ちゃんの部位は何に使われるのか? 胎児の組織は何に使われるのか? 中絶された赤ちゃんはどのような製品に使われるのか? 買い手は誰か? 金銭的な利益はどのくらいになるのか?

生物医学研究のために胎児の組織が使用されるようになったのは、1920年代後半にまでさかのぼります。この種の研究を行うために、バイオテクノロジー企業、大学、医療センターは、中絶によって亡くなった赤ちゃんから入手したこれらの細胞を収集しています。提供を受け取り出された組織は、サンプルとして研究所に持ち込まれ、そこで細胞が次々と複製されていく。しかし、それには限界がある。時間の経過とともにサンプルが劣化したり、枯渇したりするからである。そのため、中絶された胎児に大きな需要がある。

ライフ・ダイナミックス社の報告書は、胎児の組織・体の一部・臓器の市場拡大によって金銭的利益を生み出す中絶産業の内部で考案されたシステムについて述べている。このシステムは、人間の体や体の一部を売買する際の法的規制の回避を可能にするためのものである。一般的には、「売り手」、「買い手」、「卸売業者」の3者が関与する。卸売業者(または仲介者)は、中絶クリニック(売り手)と金銭的な契約を結び、家賃に相当する月々の「賃料(サイト・フィー)」をクリニックに支払う。その見返りとして、卸売業者はクリニック内に回収業者を送り込むことを許可される。そこで、彼ら回収業者は死んだ胎児に近づき、その部位を取り出すための作業スペースを与えられる。胎児部位の買い手は、一般に医学部、製薬会社、バイオテクノロジー企業、政府機関などの代理人である。

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卸売業者の利益は相当なものになる。通常、胎児部位の採取に要する費用と、買い手から得られる金額には大きな差がある。しかし、最も大きな利益を手にするのが可能なのは、エンドユーザー、つまり教育機関や政府機関の科学研究者、あるいは製薬会社、バイオテクノロジー企業、化粧品会社の製品開発部門であろう。ここでの収益見通しは、事実上、天井知らずである。

あなたがクラフト社やペプシコ社、ネスレ社などから大量生産された加工食品を購入するたびに、あなた自身が気づいているかどうかにかかわらず、遺伝子操作された毒物や化学添加物だけでなく、人間の中絶胎児の組織を使って作られた様々な香料を家族に食べさせることを選択していることになるのです。中絶された赤ん坊の組織を製品に使用している企業のリスト。このリストは、大手の「食品・清涼飲料」メーカーだけでなく、さまざまな「化粧品・美容」企業や「医薬品・ワクチン」の研究機関など、中絶された胎児の身体部位が巨大な市場となっていることを明らかにしています。

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2019年、中絶された赤ちゃんの胎児組織の譲渡について調査する下院特別委員会の共和党議員は、身体部位ごとの価格を分析した証拠を提示した。

第1:中絶の数はどれくらいか? Worldometer[訳註:さまざまなトッピングのカウンターとリアルタイム統計を提供するリファレンス Webサイトである]は2020年に世界で4270万人の胎児が子宮の中で殺されたと推定し、クリスチャンポスト紙は2020年に4200万件以上の中絶が発生したと述べ、WHOは毎年世界で推定4000-5000万件の中絶が行われていると述べています。中絶された赤ちゃんの遺体は、現在、プレミアム価格で販売されています。

第2:計算してみてください。米下院特別調査委員会によると、ミドルマン調達事業者とは、中絶された赤ちゃんから組織などの身体部位を入手し、研究のために研究機関などに提供する企業のことです。2019年の研究者から調達事業者への支払いは以下のとおりです。

● 胎児の脳・・・各1個 → 3,340ドル
● ヒト胎児組織・・・各595ドルで10個 → 5,950ドル
● 手足の付いた上肢・下肢 → 890ドル
● 上肢および下肢にマッチした赤ちゃんの頭蓋骨 → 595ドル
● 胎児の肝臓5個 → 2,975ドル
● 胎児の心臓12個 → 7,140ドル
● 報告書の全文を読む:中絶された赤ちゃんの部位の値段はいくらか?

最後に、中絶された胎児を研究に利用することについてのカトリック教会の立場

カトリック教会は、人間は受精の瞬間、つまり存在の最初の瞬間から人として尊重されなければならないと主張し続けてきました。「人工妊娠中絶に関する宣言」では、以下のように述べられています。すなわち、「卵子が受精した瞬間から、父親のものでも母親のものでもない新しい生命、すなわち自らの成長を伴う新しい人間の生命が始まる。もし、その時点で人間でなかったら、人間になることはありえない。この未来永劫変わることのない証拠に対して … 現代の遺伝科学は貴重な確証を与えてくれる。つまり、この生命体がどのような存在になるか、そのプログラムは最初の瞬間から決まっているということである。ひとりの人間として、その人のその人らしさがすでにすっかり決まっているということである。受精の瞬間から、人間の生命の冒険が始まり、時間をかけて…その偉大な能力の一つひとつがそれぞれの居場所を見つけ、行動できるようになっていく」(#12-13)。さらに、私たちは信じています。全能の神に創造され、不滅の魂を吹き込まれた私たちは、一人ひとりが神に似たものとして作られたものという身分を与えられている、と。したがって、私たちは、胎児を、その生命が神聖であり、その権利が保護されるべきひとりの人間として尊重しなければならないのです。

聖なる教理省は、1987年に発表した「人間の生命の尊重と子孫繁栄の尊厳に関する教令(Donum vitae)」において、これらの問題を取り上げています。(以下に挙げる指針は『カテキズム』2274-75号で確認できます)。

私たちがこのような考え方に陥ってしまったのは、主として、ロー対ウェイド裁判に示されたように、私たちの民法が胎児を「ひとりの人」とみなしていないためです。さらに、現在の体外受精の能力が問題を一段と難しくし、受精した子どもをペトリ皿の中で分離された「遺伝物質」にまで貶めています。しかしながら、ここでもまた教会は、胎児研究に関して明確な道徳的指針を表明しています。

● 実験や研究、臓器摘出のために人間を生産することは、道徳的に間違っている。そのような行為は、人間を単なる使い捨ての生物学的材料に貶めてしまう。(Donum vitae, I, 5参照)。

● 胎児の健康や生命を危険にさらす医学的研究や観察は、それが如何なるものであれ、道徳的に間違っている。(参照:Donum vitae, I, 5.)

● 子どもの遺伝に影響を与えるための処置は、それが治療目的でないなら、道徳的に間違っている。嚢胞性線維症のような遺伝的障害を修正しようとすることは道徳的に許されるが、性別や他の性質によって選択された人間を作り出すために遺伝的構造を操作することは間違っている。クローン、双子分裂、単為生殖によって、結婚や親子関係のないところで人間の「品種」を作ろうとする試みは、不道徳である。このような方法は、人間の尊厳を侵害し、個々人の完全性とアイデンティティを損なうものである。(Donum vitae, I, 6参照)。

● 「人間の胚や胎児の死体は、意図的に中絶されたかどうかにかかわらず、他の人間の遺骨と同様に尊重されなければならない」(『Donum vitae』I, 4)。死体や臓器を商業的に売買することは、如何なる場合も、道徳的に間違っている。

これらの教えは、「カトリックの常識」を反映しています。もし私たちが、「はい、受精の瞬間の胎児は、神の似姿に作られた、身体と魂を持つユニークな個人です」と言うなら、上記の指針は理にかなったものです。もし「いいえ」と言うなら、私たちは無秩序な研究を許し、遺伝子操作、臓器の摘出と売買、人間の交配、そして無制限の実験の領域に転落することになる。

さらに詳しい解説は、「カトリック・ストレート・アンサー」をご覧ください。

序文で、ヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿は、ロマーノ・グアルディーニの著書について、次のようにうまくまとめています。「私たちの時代は、ロマーノ・グアルディーニが生き、働いていた時代とは多くの点で著しく異なっている。しかし、教会の、いや、人類の危機は、当時も今も変わらない。すなわち、イエス・キリストのイメージを片隅に追いやり、自分たちの基準に合うようなイエス像を作ること、従順な弟子として彼に従うのでなく、むしろ自分たちのイメージで彼を作り直すということである。けれど、今日においてもやはり、救いは私たちが “真に本物” になるときにのみ成立する。そして、私たちは、イエス・キリストの真の実在を新たに発見し、彼を通して、真っ直ぐで正しい人生の道を発見するときにのみ、それをなし得るのです。」

イエスは言われる。「なぜ私の子どもたちを殺すのか?」

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ノボトニー・ジェローム、OMI
英語原文投稿 LifeIssues.net
翻訳日 2022年2月1日
翻訳者 西野 翠 / 大岡 滋子

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