世界宣教の日

ブラッドリー ロザイロ、OMI私たちは、毎年 10 月第 3 日曜日に世界宣教の日を祝います。その日曜日、ミサに与り、聖体を拝領し、祈りをささげ、宣教における教会の伝道活動を支援するため献金をします。そして、洗礼を通して宣教師になるという共通の使命を新にし、再び自分を奉献します。

教皇フランシスコは、今年10 月 23 日の日曜日に祝われる 世界宣教の日のメッセージを「あなたがたは私の証人となる」(使徒言行録 1:8)というテーマで発表しました。聖書は、クリスチャンに対する迫害と彼らがどのようにイエス・キリストを証ししたかについて教えています。教皇はメッセージの中で、“同じことが、現代でも起きています。宗教的迫害、戦争や暴力といった事態によって、多くのキリスト者が自国から他の国へと逃れることを余儀なくされています。苦しみにとどまるのではなく、自分たちを受け入れた国でキリストと神の愛とをあかしするそうした兄弟姉妹に、わたしたちは感謝します”と述べています。

国連難民機関によると、昨年末までに 8,930 万人以上が強制退去させられました。 そのうち 2,710 万人は、信仰や宗教を理由とする継続的な迫害のために避難を余儀なくされた難民でした。 2022 年 1 月、迫害されたキリスト教徒を支援する国際 NGO である Open Doors は、毎年恒例のワールド ・ウォッチ・ リストを発表しました。通常、北朝鮮がリストのトップでしたが2021 年 8 月にタリバンがアフガニスタンで権力を握って以来、そのリストのトップはアフガニスタンになりました。紛争や暴力、宗教的迫害により600 万人以上のアフガン人が故郷や国を追われています。

私たちは、宗教的迫害の悲しい話しを聞いていると思います。数年前にイスラム過激派とされる 2 人の銃撃犯がイエメンにあるマザー・テレサの創立した「神の愛の宣教者会」修道院と高齢者および障害者のための養護施設を攻撃しました。犠牲者のうち 4 人はシスターでした。攻撃の後、教皇フランシスは暴力を非難し、犠牲者を「今日の殉教者」と表現しました。

インドでは、ヒンズー教の過激派がクリスチャンの存在と影響力からインドを一掃しようとしているため迫害の増加はキリスト者に非常に不安を与えています。AsiaNewsによると、昨年カトリックの4 つの家族が殴打され、村から追い出されました。それは、2008年に深刻な迫害を受けたインドのオリッサ州で起こりました。 追い出された家族の手伝いをしてくださっている司祭は、「彼らはまだ村に戻っていません。イエス・キリストを信じる信仰のために迫害されている」と話しました。

中国におけるキリスト教に対する中国共産党の支配は最近強まっています。政府関係者は、信徒の個人データを収集するよう求められています。未成年者は宗教問題について独学することはできません。十字架や教会の建造物などの宗教的シンボルは武力によって破壊されており、当局は聖書アプリやキリスト教の WeChat の公式アカウントを削除しています。 3年前に「安定を保つ」という名目で、3つのカトリック教会が中国当局によって家宅捜索され、弾圧され、司祭はクリスマスのミサを強制的に終了させられました。中国のキリスト教徒が高度な迫害を受けていることは疑う余地はありません。中国の教会は危機に瀕しています。

イエスに従う人は福音をのべ伝えるだけでなく、迫害の中でも生き方を通して証しするよう召されています。教皇フランシスコはメッセージの中で、復活したキリストが弟子たちに証人になるよう命じたとき、この大きな責任に必要な恵みを約束したと述べています。十字架につけられ復活されたキリストを証しする最初の行為が起こったのは、まさに聖霊が弟子たちの上に降った直後でした。聖霊は、それまで弱気で、怖がりで、内向きだった弟子たちに知恵と力と勇気を与えてくださいました。

イエス・キリストの宣教者である私たちは、聖霊の働きがもっとも重要であることを理解し、聖霊とともに日常を生き、聖霊の力と霊感をつねに受けるよう求められているのです。そして、疲れたり、やる気がなかったり、途方に暮れていたりするときにこそ、祈りの中で聖霊に助けを求めることを忘れないようにしましょう。また、「宣教の真の主人公」である聖霊が私たちに的確なことばを、ふさわしいときに、ふさわしい方法で与えてくださることを信じ、与えられた使命に生きることができますように祈りたいと思います。

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