ブラザー八木信彦、OMI ー 今からお話しすることは、今から約30年前、ブラジルで本当に起こった出来事です。聖体拝領のときのあのホスチアが、イエス・キリスト御自身であることをもう一度心に留めながらお聞きください。
ブラジルの小さな町にヨゼフという小学校一年生、7歳くらいの少年がいました。ヨゼフの家はとても貧しく、家計がとても苦しい状態にありました。そこでヨゼフは小学校に上がった時から、家計を助けるために新聞配達をするようになったのです。

ヨゼフは朝早く起き、新聞配達に出かけましたが、配達を始める前に彼はかかさずやっていたことがありました。それは近くの教会に行くことです。その教会の聖堂に入り、祭壇の前まで進んで行ってそこでひざまずき、何か一言二言、祭壇の奥にある十字架像に語りかけるのでした。来る日も来る日もヨゼフ少年はそのことをかかさず行い、新聞を配る前の彼の日課となっていました。
ある日、あまりにも熱心に毎日朝早く教会を訪れ、十字架に向かって何かを語りかけているヨゼフ少年に気付いたその教会の主任神父は、ヨゼフに問いかけてみます。
「いったい君は何を十字架に語りかけてるんだい?」ヨゼフは答えます。「『イエス、ヨゼフが来たよ。イエス、ヨゼフが来たよ。』って言ってるんだ。」
それから月日は流れました。相変わらずヨセフ少年は、来る日も来る日も朝早くその教会を訪れていました。「イエス、ヨゼフが来たよ。」を言うために…。

ところがある日、ヨゼフが教会に来ない日がありました。今までそんなことが一度もなかったので、その主任神父さんはとても心配していました。その日の昼前頃だったでしょうか。その教会の信者さんが急いで走ってきて、その神父さんを呼びます。「神父さん、急いで終油の秘蹟(現在は病者の塗油)の準備をして近くの病院に来てください。今朝、交通事故にあって死にかけている人がいるんです。」
神父さんは急いでその準備をし、言われた病院に駆けつけます。そして案内された病室のドアを開けると、そこには、残念ながら、ヨゼフ少年がベッドの上に横たわっていました。息絶え絶えになって…。 「毎朝あんなに熱心に教会に来てたのに…」この神父さんは涙ながらにすぐに終油の秘蹟の儀式を始め、ヨゼフの小さな額に油を塗り、最後に御聖体をヨゼフの口元に授けようとしたその瞬間、どこからともなく、はっきりとした声が聞こえてきたのです。
「ヨゼフ、イエスが来たよ。ヨゼフ、イエスが来たよ。」
御聖体をいただいたヨゼフ少年は、その後まもなく、眠るように天国に召されていったのでした…。











